ファインマン先生がおもしろい

物理学者の人ですが、この人の逸話集おもろい。
いろいろな逸話が入っていますが、ポール・グレアム
エッセイの「富」についてと似たことを発言していたのは印象的でした。


(先進国は発展途上国に富を分配し、諸外国の繁栄の差を是正すべきとの意見へ)
物を均等に分配するという考えは、世界に「X」という一定の物の量が
あって、何かの理由でまずわれわれが貧しい国からそれを取りあげたのだから、
返すべきだという理屈に基づくものだ。
だから諸国間の差のほんとうの理由、すなわち作物を育てる新しい技術の発展、
そして食品のその他を開発するには必要な機械類の発達ということ、
しかもそうした機械類は資本の集中を必要とすることなどいっさい考えに入っていない。
僕はこの重大な見過ごしを指摘しようとした。
真に重要なのは『物質そのもの』ではなくて、それを『作る力』なのだ。

「ご冗談でしょう、ファインマンさん」より


平等を唱える人は、不平等が何から来ているかを、考えないと意味がないって事ですかね。
少なくとも今までの歴史は、富の集約は次の発展に繋がっています。
まあ、一番の富の集約による発展が戦争ってのはありますが。。。。


私は特に無償で分け与えるってのに懐疑的です。バラマキ政策とか無駄だと思うんですがね。
最低保証は必要だと思いますが、その保護が努力しなくても良いどころか、
努力をすると損をするようなのは本末転倒かと。
さらなる富を増やす結果を出せるか?それとも他人の富を奪って、
一時的な助けで無駄浪費となるか。さてはて日本の平等?分配主義はどこへ向かうんでしょうか。


あと、翻訳家さんが秀逸な気がします。
気に入った発言が以下
「僕はちょっとけしからぬ冒険でもやろうかと思ってるんですよ。」
原文はわからぬが、なかなか味のある訳をしてるなと。


私も、ちょっとけしからぬ冒険をしてみたいです!!


wikipedia:リチャード・P・ファインマン
wikipedia:ポール・グレアム

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)